テレビ製作者の個人発信が必須の時代がやってくる!
はじめに
みなさんこんにちは!株式会社NAVICUSのSNです。
僕はテレビ局のプロジェクトを主に担当しています。
前回書いたnoteが多くの方に読んでいただけたみたいでとても嬉しく思います!
まだの方はぜひご覧ください👇
好きな番組は作り手の名前を知っている
僕が最近テレビやSNSを見ていて思うことなのですが、人気のテレビ番組ってプロデューサーやディレクターの顔や名前がわかることが増えてきたように思います。
例えば『ゴッドタン』の佐久間宣行さんや『家、ついて行ってイイですか?』の高橋弘樹さん、『水曜日のダウンタウン』の藤井健太郎さんなど、テレビ好きの方なら一度は目にしたことがある名前なのではないでしょうか。
実際上記の方々はYouTubeやX(旧Twitter)で多くの発信をしていて個人でファンを獲得しています。
名物プロデューサーが手がけるから人気番組なのか、人気番組だから名物プロデューサーになるのかという『卵が先か、鶏が先か』の話でもありますが、SNSにおいて個人で発信することは果たしてどのような影響があるのでしょうか。
本日は『番組制作者が個人で発信すること』について、僕の本業のファンコミュニティの目線でお話しさせてください!
マスメディアとパーソナルメディアについて
まず最初にテレビとSNSのメディアの種類の違いから説明させてください。
テレビは『マスメディア』と呼ばれ「マス=大衆」を意味する老若男女問わず一般的な消費者に向けたメディアです。
一方SNSは『パーソナルメディア』と呼ばれYouTubeやXなどソーシャルメディアのひとつひとつの投稿を意味します。
※近年WEBメディアやSNSもマスメディアなのではないかという議論もありますが今回のようなテレビとの比較においてはパーソナルメディアと定義させてください。
それではマスメディアとパーソナルメディアの違いはどのようなことがあるのでしょうか。
違いの一つに挙げられるのが「役割」の違いです。
マスメディアが大衆に向けた客観的な立場から発信される媒体であるのに対して、パーソナルメディアは個人の思想など主観的な発信をする場合が多いのが特徴です。
では放送業界においてパーソナルメディアのような主観的な媒体が存在することは果たしてどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は作り手サイドと視聴者サイドの2つの視点でそれぞれ考えてみました。
視聴者視点:作り手視点からのストーリーテリング
まずひとつめは僕たち視聴者が作り手視点のストーリーテリングに触れることができるという点です。
作り手がどんな思いでその番組を作ったのか、撮影の際にどんな裏話があったのかなどが聞けると番組をより深く理解することができて、作品に没入できます。
ただ作り手の顔を見せるだけでなく、情熱やストーリーを知ることで番組に対するファンが増えていくのです。
作り手視点:ソーシャルリスニングが可能になる
作り手個人の発信のメリットは視聴者のメリットと共通している部分ではありますが、まずはソーシャルリスニングについてが挙げられます。
テレビというマスメディアが数百万人を対象にコンテンツを届けている媒体なのに対し、その跳ね返りを個人単位で見ることができるのがSNSです。
普段テレビを観ている視聴者の生の声がそのまま作り手に届けられる、作り手はその声を見ることができるというのはSNSの醍醐味のひとつでもあります。
作り手視点:既存ファンを継続的に新規番組に誘導しやすい
例えばAというドラマがあったとします。
そのスタッフであるあなたは自身のアカウントでAのファンを多く獲得することができました。
そしてAのドラマが終わり、次に新しくBのドラマが始まる際にはAのドラマで獲得したファンがあなたのアカウントに蓄積されているため新たにBのファンにもなってもらいやすくなります。
それがCのドラマ、Dのドラマと続いて行くとどうでしょうか。
雪だるま式にファンが増えて、あなたのアカウントの広告塔としてのアカウントパワーは非常に強いものとなります。
これは毎回ゼロから立ち上げる番組公式アカウントでは難しいことで、継続して運用が進められる個人アカウントならではの現象かもしれません。
作り手個人のアカウント例
ここからは番組制作を実際に行なっている方々の中から特徴的な運用をされている個人アカウントをご紹介いたします。
ここでは数十万人のフォロワーがいるような大規模なアカウントではなく、僕個人が“ここが素敵!”と思った特徴的なアカウントを取り上げております。
この記事をご覧いただいている作り手の皆さまの今後のご参考にしていただけたらと思います。
1.村瀬健 『silent』プロデューサー
村瀬さんは元日本テレビ、現フジテレビのプロデューサーさんです。
今まで『14歳の母』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『silent』など数々のヒット作品を生み出された方です。
僕が今回、村瀬さんを選ばせていただいたポイントとして「silent」の際の投稿が非常にストーリーテラーとして上手なアカウントだったからです。
2022年に配信数などで記録的ヒットを叩き出したドラマ「silent」。
僕はその要因として公式アカウントだけではない多方面からの宣伝活動が大きいと考えています。
TikTokでの切り抜きやInstagramでのオフショット、そして作り手からのストーリーテリング。
具体的には下記の投稿をご覧ください。
劇中に登場したポテト写真とともに作中のキャラクターの心情を投稿。
このように一つのシーンにこだわりを見せることで視聴者はより一層作品に没入します。
細かいところにも意味を探し求めるようになるため考察が生まれ、視聴者自らクチコミが創出されて話題化が生まれるという流れが出来上がっていました。
2.小山テリハ
2人目はテレビ朝日の小山テリハさんです。
小山さんは「あのチャンネル」「イワクラと吉住の番組」などテレビ朝日のバラエティをご担当されている方です。
実は僕も芸人時代に一度だけお仕事をご一緒したことがあるのですが、その時に感じたことが『好きの熱量の高さ』でした。
アイドルやお笑いなどへの熱量が非常に高く普段から自分の“好き”を発信しており、その延長で番組を制作しているため視聴者にもその熱量が伝わっているのです。
『小山さん=アイドル』の構造が出来上がっており、非常に良質なコミュニティが形成できていることが伺えます。
3.竹中 優介
最後はTBSのディレクターである竹中優介さんです。
過去には『アッコにおまかせ!』『櫻井・有吉THE夜会』などをご担当されて『AKB48のあんた、誰?』がきっかけでAKB48を応援しているとプロフィールにも書かれています。
僕が今回竹中さんを選んだのはまさしく『ファンコミュニティの場を提供していること』です。
竹中さんはXのスペース機能(X上で音声のみの会話をリアルタイムで配信・視聴することができる機能)を使用して『AKB歌唱力決勝の感想』というスペースを開設しました。
Xのユーザーなら誰でも参加することが可能で、この時はリアルタイムで1,000人以上が参加する結果となったのです。
音声とはいえファンとしてリアルに集う場を提供されることで、より作品とファンの距離を縮めることができる素晴らしい企画だと感じました。
作り手の発信はコンテンツと視聴者を繋ぐ架け橋
いかがでしたでしょうか。
ここまで書いてきましたが、改めて作り手の個人発信は『作品と視聴者の間を繋ぐ役割』として唯一無二であるのではないかと感じました。
番組の宣伝に寄りすぎないが一個人の感想でもない、オフィシャルな立場において最も視聴者と近しい存在なのかもしれません。
もし視聴者の立場でこの記事をご覧になっている方がいましたら、今一度好きな作品の作り手にフォーカスするとその作品がもっと好きになると思います。
また作り手の方がご覧になっている場合はぜひ個人での発信をしてもらえると僕たち視聴者はとても喜びます!
コンテンツと視聴者の間でさらに良いコミュニティ形成を行うことができる作り手からの発信を一視聴者として今後も楽しみにしております!
少しでも気になった方はぜひ株式会社NAVICUSまでお問い合わせください♪