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SNS運用は「正直」に

みなさん、こんにちは。
突然ですが、SNS運用の中で「炎上したらどうしよう…?」「何か悪いことを言われたらどうしよう…?」という不安を持ったことがある方は少なくないと思いますが、いかがでしょうか?
今日はそんなSNS運用の不安と信頼についてお話したいと思います。


正直がいちばん

SNSの海にはさまざまな情報があふれています。その中で何を信じ、何を選ぶのかは個人に委ねられるところですが、企業として考えるべきは「正直」の一言に尽きると思います。

2023年10月よりステルスマーケティングを景品表示法の不当表示として、禁止行為に指定する運用基準が施行されます。
※ステルスマーケティングとは、消費者に気づかれずに商品やサービスを宣伝したり、クチコミなどを行うことを指します。

この法改正により、事業者が第三者を装って商品を宣伝したり、第三者に宣伝やPR、クチコミ投稿を指示したりした場合には、広告表示が必須になります。たとえ金銭授受が発生していなくても、法規制の対象となる場合もあるので注意が必要です。

「広告である」ということをしっかりと表示していけば問題はないのですが、インフルエンサーマーケティングや広告配信では注意も必要です。例えば、オーガニック投稿を紐づけて広告配信する際などは、元のポストに#PRの表記がなければいけないなどもあるので、今一度運用担当者は消費者庁の運用基準WOMJのガイドラインなどを確認しておいた方がよいかもしれません。

何はともあれ、生活者に正直に伝え続ける。これを頭に置いて日々コミュニケーションしていきたいものです。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE260PX0W2A221C2000000/

有名なステマ事例から学ぶ

正直ではないものが生活者にどう映るのか。
海外のお話ではありますが、有名なステマ事例があります。

2005年にウォルマートが自社ブランドイメージをアップするために行ったPRとして、NPO「Working Families for Wal-Mart(WFWM)」を設立。そこに2006年に開設されたブログが問題となりました。

そのブログはある夫婦がウォルマートの各店舗で提供しているRV車のためのキャンペーン「RVフレンドリー」を利用しながら、ラスベガスからジョージアまでキャンピングカーで横断するという旅行記でした。夫婦は旅行中に出会ったウォルマート社員の話や、社員が自分たちに施してくれた親切な対応などをそのブログに書き綴っていたのですが、これがすべて架空のものだったのです。資金はすべてWFWM社から出ており、夫婦もフリーライターとカメラマンだったこと。そして、大手PR会社のエデルマンがこれらを仕組んでいたことが「Business Week」誌によってブログ開設から約半年後に報道され、炎上しました。

もちろん、現在このブログは削除されていますが、ブログに批難が相次ぐ中、謝罪文の掲載までに日数を要したこともあり、火に油を注ぐ結果になったのは言うまでもありません。

このブログ炎上から学ぶ点はいくつもありますが、そのひとつは生活者に嘘をついて評判をあげようとしたところにあると考えます。
クチコミは推奨行動として有効ではありますが、操作されたクチコミは信頼を失う原因になります。
よく見せたい気持ちよりも、正直に真摯に伝えることが何より生活者に届く近道です。

そして、一見するとネガティブに見えがちな生活者の言葉でも、寄り添う気持ちを持ってその言葉と向き合ったとき、ポジティブの輪が広がっていくこともあるはずです。

生活者の言葉をヒントと捉える

SNSの担当者の人であれば普段から自社についての投稿は直接の返信や引用にかかわらず、確認されている方も多いと思います。
嬉しい反応だけではないとは思いますが、投稿にはたくさんのヒントも隠れています。

一般的に「傾聴」と言われている、相手の目線になって優劣をつけずに耳を傾けることは、SNSにおいても非常に有効です。
アンケートやインタビューで聞くのとはまた違う、日常生活の中で生活者がふとつぶやいた言葉は、SNSだからこそ聞くことができる声ではないでしょうか。

まだ記憶に新しい、味の素冷凍食品の公式X(当時Twitter)での呼びかけは、まさに生活者の声を聞いたからこその呼びかけでした。

油・水なしで焼けることが特徴の同社の冷凍餃子。それがフライパンについてしまったという生活者の投稿が大きな反響を呼び、その投稿を目にした同社は社内ですぐに検討し対応を開始。

SNS上で見つけた生活者の声に対しての返信がこちら。

突然のご連絡を申し訳ありません。フライパンで弊社のギョーザを焼いたところ、張り付いてしまったとのツイートを拝見いたしました。弊社は、誰でも失敗なく、羽根つきギョーザが焼き上がる感動をお届けすることを目指しております。
大変勝手なお願いでご面倒おかけいたしますが、このたび調理にご使用いただきましたフライパンを、着払いにてご提供いただけないでしょうか? 焦げ付いてしまうフライパンの状態を確認させていただき、研究・開発に活用させていただきたく考えております

味の素冷凍食品公式Xより


この返信に対してSNS上で大きな反響がありました。そこで同社では、使い込まれたフライパンを用いた調理・検証をするために、「使い込んだフライパンでも綺麗に焼けるギョーザの検証に向けたお願い」として検証を行うためのフライパン募集を呼びかけました。
すると、全国から想定を超えるフライパンが届いたとのこと。予想以上の反響から募集は早々に終了しましたが、その後は検証の報告と結果として、焦げ付きやすいフライパンでの焼き方の改善方法を案内しました。

ここまでの流れは、SNSでのやり取りや情報発信を含めて、生活者に見える形で行われていました。これにより元からファンだったという生活者以外にも、この件を目にし、同社への信頼や愛着が増した人が増えたのではないかと推測できます。

一見するとネガティブな声も、同社は商品に対する深い想いと長年の努力が、SNSという場であっても生活者と真摯に向き合う姿勢を作り、そこでつぶやかれた生活者の声をヒントとして捉えることができたのだと考えます。

信頼してもらえる言葉を届ける

SNSの運用では、何かが起こるかもしれない不安はついてまわることかもしれませんが、「SNSは生活者がそれぞれのコミュニケーションの場として使っている」という認識を持ち、正直な運用を心掛ければそもそも心配することは減るはずです。
そして、もし何かが起こった時の対応や姿勢そのものが誠実であれば、それは炎上ではなく信頼に繋がります。

SNSを情報発信するものと捉えるか、コミュニケーションのひとつとして捉えるかでも違ってくる部分ではありますが、せっかく生活者に直接触れることができる場所ですし、しっかり耳を傾け、より愛されるヒントをたくさん集めながら、その声に寄り添い、信頼してもらえる言葉を届けていきたいものですね。

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